
大型家電は、売価だけを見ると利益が大きく見えます。しかし、冷蔵庫や洗濯機は配送費、搬出経路、保管面積によって利益が簡単に消えます。
仕入れ判断の順番は「相場を調べてから送料を考える」ではありません。先に配送方法と保管場所を確定し、残った金額から仕入れ上限を逆算します。
見るべき数字は次の3つです。
-
想定売価
-
– 売れるまでに必要な総経費
-
– 在庫として置ける日数
この3つが仕入れ前に出せれば、大型家電は怖い商材ではなくなります。
📦 商品価格より先に配送サイズを確認する
最初に測るのは、商品の横幅・奥行き・高さです。取っ手、ホース、コード、突起部分も含めた実寸で判断します。
配送会社の料金区分は、三辺合計や重量で変わります。数センチの差で料金帯が上がることもあるため、「たぶんこのサイズ」で計算してはいけません。
仕入れ前に、最低でも次を確認します。
-
📏 本体の横幅・奥行き・高さ・重量
-
– 🚪 玄関、廊下、階段、エレベーターを通せるか
-
– 🔌 電源、給排水、冷却などの動作確認ができるか
-
– 配送時に外す棚、ホース、脚などがあるか
-
– 一人で動かせるか、補助員が必要か
送料込みで販売する場合の仕入れ上限は、次の式で計算できます。
**仕入れ上限=想定売価-販売手数料-配送費-清掃費-保管費-リスク予備費-目標利益**
例えば、想定売価が30,000円でも、配送費が10,000円、販売手数料が3,000円なら、この時点で残りは17,000円です。さらに清掃費、保管費、仕入れ代を引く必要があります。
大型家電では、配送方法が決まっていない商品は仕入れないくらいの基準が安全です。
🏠 保管場所は台数ではなく面積と日数で管理する
「あと2台置ける」ではなく、床面積と在庫日数で考えます。
一般的な縦型洗濯機なら、床面積は約0.36平方メートルです。中型冷蔵庫なら約0.42平方メートルを使います。ただし、実際には扉を開ける空間や清掃作業の通路も必要です。
1.5平方メートルの保管スペースがあっても、作業用の余白を40%残すなら、在庫に使えるのは0.9平方メートルです。冷蔵庫と洗濯機を1台ずつ置けば、ほぼ上限になります。
-
🧱 使用可能面積は全体の60%までにする
-
– 📍 入荷日、出品日、値下げ日、撤去期限を記録する
-
– 大型冷蔵庫の上に別の商品を載せない
-
– 搬出順を考え、奥の商品も動かせる配置にする
-
– 売れない在庫を作業場所へはみ出させない
保管場所の賃料が月12,000円で、常時3台を置くなら、1台あたりの保管費は1日約133円です。21日保管すると約2,793円になります。
この費用を無視すると、帳簿上は利益が出ていても、実際には場所だけを消費する在庫が増えます。仕入れ時点で「14日目に値下げ、21日目に地元販売へ切り替え、30日目までに撤去」と出口を決めておきます。
💰 同じ家電でも売り方で残る利益が変わる
次は、実際の金額を使った比較です。販売手数料や配送費は変動するため、ここでは仕入れ判断用の想定値として計算します。
ケースA:中型冷蔵庫を全国配送する
-
想定売価:36,800円
-
– 仕入れ:8,000円
-
– 配送費:12,000円
-
– 販売手数料:3,680円
-
– 清掃費:1,500円
-
– 保管費:1,400円
-
– リスク予備費:2,000円
-
– 想定利益:8,220円
-
– 利益率:約22.3%
ケースB:縦型洗濯機を全国配送する
-
想定売価:25,800円
-
– 仕入れ:4,500円
-
– 配送費:7,500円
-
– 販売手数料:2,580円
-
– 清掃費:1,000円
-
– 保管費:900円
-
– リスク予備費:1,500円
-
– 想定利益:7,820円
-
– 利益率:約30.3%
ケースC:冷蔵庫を地元引き取り限定で販売する
-
想定売価:24,000円
-
– 仕入れ:7,000円
-
– 仕入れ時の運搬費:1,500円
-
– 販売手数料:0円
-
– 清掃費:1,200円
-
– 保管費:1,000円
-
– リスク予備費:1,000円
-
– 想定利益:12,300円
-
– 利益率:約51.3%

🧮 全国配送は売価を上げやすい一方、配送費と手数料が重くなります。地元引き取りは売価が低くても、経費を圧縮できるため利益が残る場合があります。
つまり大型家電で抜ける場所は、商品知識だけではありません。
-
配送費が一段下がるサイズ
-
– 自分で安全に運べる距離
-
– 引き取り需要が強い地域
-
– 清掃が短時間で終わる商品
-
– 縦型洗濯機や単身用冷蔵庫など回転を読みやすいカテゴリー
仕入れ値の安さより、「安く売り切れる出口を持っているか」が重要です。
🧭 10点チェックと6段階の仕入れ手順
仕入れ候補は、次の5項目を各2点で採点します。
-
需要:直近相場と成約件数を確認できる
-
– 配送:料金と利用条件が確定している
-
– 保管:予定区画に無理なく置ける
-
– 状態:主要動作と付属品を確認できる
-
– 出口:全国配送、地元引き取り、業者売却の候補がある
8点以上なら仕入れ候補、6〜7点なら目標利益を通常の1.5倍取れる場合だけ検討、5点以下は見送ります。動作未確認や搬出不能がある場合は、合計点に関係なく仕入れません。

🔢 現場で使う6段階の判断手順
-
本体の三辺、重量、型番、製造年を記録する
-
2. 搬出経路と必要人数を確認する
-
3. 全国配送と地元販売の想定売価を調べる
-
4. 手数料、配送費、清掃費、保管費を引く
-
5. 予定区画と撤去期限を決める
-
6. 目標利益を残せる仕入れ上限以下なら購入する

現場では、計算結果より仕入れ価格が500円でも高ければ見送ります。「値下げすれば買える」という状態を作り、予算に商品を合わせないことが大切です。
⚠️ 大型家電で利益を失う典型パターン
最も多い失敗は、商品が安いという理由だけで先に購入することです。
-
🚫 搬出経路未確認で階段や玄関を通らない
-
– 配送対象外の地域や条件を見落とす
-
– 🧼 臭い、カビ、水あかの清掃に想定以上の時間がかかる
-
– 異音、水漏れ、冷却不良を見逃す
-
– ⏰ 値下げを先延ばしにして保管費を増やす
-
– 付属品不足により買い手が決まらない
-
– 売れ残ったときの処分費を計算していない
特に冷蔵庫の臭いと洗濯機の槽汚れは、写真だけでは判断しにくい部分です。電源が入るだけで正常と判断せず、冷却、異音、給水、排水まで確認します。
📝 仕入れ前のメモには、想定売価を1つだけ書くのではなく、通常価格、早期売却価格、撤退価格の3つを残します。撤退価格でも赤字にならない商品なら、在庫が詰まったときに素早く現金化できます。
大型家電せどりの利益は、高く売る技術だけで作るものではありません。配送サイズを確定し、保管期限を決め、出口ごとの経費を引いたあとに仕入れ上限を出します。
この順番を守れば、高利益候補と、場所を占有するだけの商品を仕入れ前に分けられます。まずは保管区画を1つ決め、そこに収まる商品だけで10点チェックを始めてください。
Original article: note.com

