「5万!」「5万2千!」「6万!!」
威勢のいい声が飛び交う、あの独特の熱気。
兵庫県内の某古物市場に初めて足を踏み入れた時の僕は、足の震えが止まりませんでした。
こんにちは、レオ助です。
尼崎や西宮、神戸のあたりを軽トラで走り回って10年以上、中古品の転売で飯を食ってきました。
今でこそ涼しい顔して競り(せり)に参加してますが、最初はもう、ボロボロでしたよ。
忘れもしない、姫路の方にある市場での初陣。
「これ、メルカリで2万円で売れるやつやん!」と舞い上がり、
競り師の「はい、1万5千!1万5千いないか!?」という煽りに乗せられて、
勢いよく「はい!」と手を挙げてしまったんです。
落札した瞬間は「よっしゃ、5,000円抜きや!」とガッツポーズ。
でも、現実は甘くなかった。
市場に支払う「歩口(手数料)」を計算に入れ忘れ、
さらには尼崎までのガソリン代、大型商品の送料、清掃の手間……。
結局、手元に残ったのは利益どころか、3,000円の赤字と、
奥さんに「あんた何しに姫路まで行ったん?」と冷たく言い放たれた絶望感だけでした。
あの時の、胃がキリキリ痛む感覚は今でも思い出します。
もし、あなたが今、
「古物市場に行ってみたいけど、いくらで競ればいいか分からない」
「競りのスピードに付いていけず、高値掴みしそうで怖い」
と悩んでいるなら、この記事を最後まで読んでみてください。
兵庫の泥臭い現場で、血ヘドを吐きながら身につけた
「絶対に損をしない逆算ルール」をすべて教えます。

1. なぜ初心者は「競り」で熱くなって自爆するのか?
古物市場の競りは、一瞬です。
0.5秒の迷いが命取りになる。
「あ、これいいな」と思った瞬間に、もう値段は吊り上がっている。
焦って「はい!」と言ってしまうのは、人間の本能みたいなもんです。
でもね、プロは「競っている最中」に値段を考えてるわけじゃないんですよ。
勝負は、競りが始まる前の「下見」ですべて決まっています。
伊丹や加古川の市場でもそうですが、上手いヤツほど、下見の時間に黙々とスマホを叩いてメモを取っています。
逆に、何も準備せずに「出たとこ勝負」で挑む初心者は、市場の養分にされるのがオチです。

2. 爆速で判断するための「相場メモ術」と「逆算の方程式」
まず、絶対に覚えておいてほしい方程式があります。
これを頭に叩き込んでおかないと、加古川のバイパスを泣きながら運転することになります。
【入札上限額 =(販売見込額 ー 送料 ー 販売手数料)÷ 1.1(歩口分)ー 確保したい利益】
これ、パッと見て計算できますか?
競りの現場でこんな計算してたら、100%置いていかれます。
だから、下見の段階で「表」を作っておくんです。
例えば、僕がよく扱う家電や道具類なら、こんな感じのメモをスマホに残します。
| 商品名(型番など) | 販売見込(メルカリ等) | 諸経費(送料・手数料) | 利益3,000円出すための上限 |
|---|---|---|---|
| マキタ インパクト TD172D | 18,000円 | 3,000円 | 11,000円 |
| シャープ 137L冷蔵庫(21年製) | 15,000円 | 5,000円(自社配送想定) | 6,000円 |
| BOSE Bluetoothスピーカー | 12,000円 | 2,000円 | 6,000円 |
この「上限」の数字だけを、競りが始まったら凝視するんです。
11,000円を超えたら、どんなに欲しくても、どんなに周りが盛り上がっていても、スッと手を下ろす。
これが「負けない」ための唯一のルールです。
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3. 兵庫の市場で避けて通れない「歩口(ふぐち)」の罠
これ、意外と初心者が忘れるポイントです。
兵庫県内の市場(神戸や明石など)でも、だいたい「10%」の歩口(買い手数料)がかかります。
「1万円で落とした!」と思っても、支払うのは1万1,000円です。
この1,000円の差が、後でジワジワ効いてくるんですよ。
さらに、忘れてはいけないのが「消費税」です。
内税なのか外税なのか、その市場のルールを事前に確認しておかないと、
最後に請求書を見たときに「え、こんなに高いん?」と腰を抜かすことになります。
僕が駆け出しの頃、明石の市場で「この家具、5,000円なら安い!」と大量に買い込んだことがありました。
でも、歩口と消費税を合わせたら、結局1点あたり1,000円近く上乗せされていて、
ネットで売っても梱包材代すら出ないという悲惨な結末を迎えました。
4. ジャンル別・即決判断のための「掛け率」目安表
いちいち計算するのが面倒な人のために、僕が現場で使っている「感覚的な掛け率」を教えます。
販売見込価格に対して、これくらいの金額で落とせれば大体利益が出る、という目安です。
| ジャンル | 落札上限(販売価格に対して) | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| 小型家電(美容・オーディオ) | 40%〜50% | 送料が安いので、強気にいける。 |
| 大型家電(冷蔵庫・洗濯機) | 20%〜30% | 清掃がクソ大変。動作不良のリスク高。 |
| 電動工具(マキタ・ハイコーキ) | 60%〜70% | 回転が速い。薄利でも回せる。 |
| 骨董・古道具(一点モノ) | 10%〜20% | 売れるまで時間がかかる。在庫リスク大。 |
例えば、神戸のリサイクルショップで2万円で売れそうな冷蔵庫があったら、
市場では4,000円〜6,000円くらいまでしか追っちゃダメ、ということです。
「え、そんなに安く買えるの?」と思うかもしれませんが、
これくらい厳しく見積もっておかないと、商売としては長続きしません。
5. 現場で冷や汗をかかないための「下見」のコツ
古物市場の朝は早いです。
西宮の市場なんかだと、朝7時くらいからみんな血眼になって商品を見ています。
初心者の人は、まずは「型番」をメモすることに集中してください。
特に家電は、年式ひとつで価格が天国と地獄ほど変わります。
一度、加古川の市場で、見た目がピカピカのオーブンレンジを見つけて、
「これなら絶対1万以上で売れる!」と型番も見ずに競り勝ったことがあります。
いざ持ち帰って調べてみたら、10年以上前の古いモデルで、
メーカーの部品供給も終わっているゴミ同然のシロモノでした……。
市場のライトは明るいから、何でも綺麗に見えるんです。
でも、騙されちゃいけない。自分のスマホで調べた「数字」だけを信じてください。
6. ガッツポーズの爆益体験:尼崎で見つけた「お宝」
もちろん、辛いことばかりじゃないですよ。
この「逆算ルール」を徹底していたからこそ、掴めたお宝もあります。
あれは尼崎の小さな市場でした。
誰も見向きもしないような、汚れた段ボール箱の中に、
古い業務用無線機が数台入っていたんです。
周りの業者たちは「あんなん誰が買うんや」という空気。
でも、僕は下見の時にスマホで型番を叩いて、驚愕しました。
「これ、廃盤モデルやけど一部のコレクターにめちゃくちゃ需要あるやつや……!」
販売相場は1台3万円。箱の中に4台。
僕の逆算ルールなら、4台で4万円までなら競っても利益が出る。
競りが始まりました。
「はい、1,000円!」「2,000円!」
誰も追ってこない。僕は静かに「3,000円」と発声しました。
そのまま「はい、3,000円、3,000円……いないか? はい、おめでとう!」
3,000円で落札。手数料入れても3,300円。
それが数週間後、ネットオークションで合計11万円になりました。
あの時の尼崎からの帰り道、2号線を走りながらハンドルを叩いて喜んだのを今でも覚えています。
これがあるから、古物市場はやめられない。
7. 最後に:熱くなったら負け。冷静なヤツが勝つ。
古物市場は、欲望が渦巻く場所です。
「隣の業者に負けたくない」
「せっかくここまで来たんだから、手ぶらで帰りたくない」
その気持ち、痛いほど分かります。
でもね、一番恥ずかしいのは「赤字の商品をドヤ顔で積んで帰ること」ですよ。
もし競りの最中に頭に血が上りそうになったら、
自分のメモにある「上限金額」を指でなぞってください。
それは、過去のあなたが冷静な時に下した、正しい判断です。
兵庫県内の市場は、どこもクセの強い常連さんが多いけれど、
ちゃんと準備をして、礼儀正しくしていれば、怖い場所じゃありません。
まずは、次の市場の下見で「10点だけ、完璧な相場メモ」を作ってみてください。
そこからあなたの「負けない仕入れ」が始まります。
僕もどこかの市場で、泥だらけの軍手をして競っているかもしれません。
お互い、しっかり稼いでいきましょう!
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